ガス透過試験

概要


食品包装材料、電池の封止材、電子材料など用途により求められるガス透過性(もしくはバリア性)は異なる。また、使用目的や環境条件に合わせた評価が求められる。 ここでは種々のガス透過試験法を紹介する。



原理


シート・フィルム状のサンプルを、2 つのセルで挟み、片方のセルに試験ガスを流し、サンプルを透過して反対側のセルに流れてきた試験ガス量を測定する。主な試験法にセル間に圧力差がない等圧法と差がある差圧法の2 種がある。評価にはガス透過係数、ガス透過度がよく用いられる。ガス透過係数は材料固有の値であり、材料間の比較に使われる。一方、ガス透過度はサンプルそのもののガスバリア性の比較に使われる。

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各種ガス透過試験法と測定条件


表1 各種ガス透過試験法
試験法 等圧法
(MOCON法)
差圧法 ガーレー法 重量法
(CUP法)
対応可能ガス 水蒸気 酸素 酸素、窒素、
炭酸ガス、空気 等
空気 水蒸気
温度範囲 20 ~ 40 ℃ 20 ~ 40 ℃ 10 ~ 85 ℃ 23 ℃ 23 ~ 85 ℃
湿度範囲 35 ~ 90%RH、
100%RH
0 ~ 90%RH 0%RH 50%RH 50 ~ 90%RH
ガス透過度
測定範囲*1
0.10~50
g/(m2・24h)
0.10~200
cm3/(m2・24h・atm)
1.0~100,000
cm3/(m2・24h・atm)
0.10~100
μm/(Pa・s)H
0.50~10,000
g/(m2・24h)
サンプル形状*2 100×100 mm 120×120 mm 100×100 mm 50×50 mm 100×100 mm
関連規格 JIS K 7129-2
ISO 15106-2
ASTM F 1249-06
JIS K 7126-2
ISO 15105-2
ASTM D 3985
JIS K 7126-1
ISO 15105-1
ASTM D 1434
JIS P 8117
ISO 5636-5
ISO 11607-1
JIS Z 0208
ASTM E 96-90
特徴 実際の使用環境に則した条件での測定
IR センサーで検出
実際の使用環境に則した条件での測定
クーロメトリックセンサーで検出
測定範囲が広く、多種ガス、高低温の測定が可能
圧力センサーで検出
微孔性フィルム、紙製品等の空気透気度測定が可能 高温高湿試験が可能
吸湿剤の重量変化を追うことで測定
*1 アルミマスク装着・特殊セル使用により、高透過度サンプルも測定可能。
*2 標準のサンプルサイズ。厚みは通常、数 μm ~数 mm。対応可否につきましてはご相談ください。


測定例


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図1 PETフィルムの水蒸気透過度の湿度依存性(等圧法(MOCON法))
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図2 PETフィルムの酸素透過度の湿度依存性(等圧法(MOCON法))
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図3 各種プラスチックフィルムの酸素透過係数の温度依存性(差圧法)



検索番号:6h005




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