最新技術事例

リサイクルプラスチックは、様々なリサイクルの過程で微量な異種プラスチック、無機物などが混入する。これらが成形時の結晶化挙動に影響を与える可能性がある。超高速 DSC では実成形条件下での結晶化挙動を把握でき、リサイクル品の成形プロセスにおいて、有用な情報を得ることができる。
▶ 超高速DSC(Flash DSC)によるリサイクルプラスチックの結晶化挙動の評価


キャピラリー電気泳動 (CE:Capillary Electrophoresis) は、分離分析法のひとつであり、主として水溶液中のイオン成分の分離分析に用いられる。
▶ キャピラリー電気泳動分析(CE)


食品包装材料、電池の封止材、電子材料など用途により求められるガス透過性(もしくはバリア性)は異なる。また、使用目的や環境条件に合わせた評価が求められる。 ここでは種々のガス透過試験法を紹介する。
▶ ガス透過試験


クロス分別クロマトグラフィー (CFC) とは、昇温溶出分別 (TREF) とゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) を組み合わせた分析手法である。TREF カラムで組成 (結晶性) の異なる成分に分離した後、GPC カラムで分子サイズの異なる成分に分離することができる。オレフィン系高分子の 組成× 分子量 2次元分布測定が可能であり、複雑な材料の包括的な特性評価に役立つ。
▶ クロス分別クロマトグラフィー (CFC) によるオレフィン系高分子の組成 × 分子量 2次元分布測定


昇温溶出分別 (TREF) は、オレフィン系高分子を分析対象としたカラム分離法の一種である。クロス分別クロマトグラフ装置に内蔵された TREF カラムにより結晶性の異なる成分が分離される。これを利用し TREF によりオレフィン系高分子の結晶性分布が評価できる。オレフィン系共重合体では結晶性がコモノマー組成に相関しているため、TREF による結晶性分布評価は組成分布の評価と同義である。エチレンと α- オレフィン の共重合体である LLDPE (直鎖状低密度ポリエチレン) の組成分布の評価にTREF が適用されている。
▶ 昇温溶出分別 (TREF) を用いたオレフィン系共重合体の組成分布測定 -クロス分別クロマトグラフィー (CFC)-


熱可塑性エラストマーは、コモノマー組成が高い低結晶性の成分を多く含むため、結晶性分別に基づく昇温溶出分別 (TREF) やクロス分別クロマトグラフィー (CFC) の適用が困難な材料の 1つであった。CFC の測定温度下限を -20 ℃ までを拡張することで、マイナス温度域での組成分布解析が可能となった。
▶ 熱可塑性エラストマーを含むポリオレフィンブレンド物の組成 × 分子量2次元分布解析 -クロス分別クロマトグラフィー(CFC)-


立体規則性はポリマーの分子間相互作用や結晶化の程度の支配因子の一つであり、ポリマーの融点、溶解性、弾性、透明性、耐久性などの物性や機能に密接に関係している。ポリマーの立体規則性やその分布の評価は、ポリマーの重合や改良、物性発現の理解に重要である。立体配置の違いにより CH3 領域のケミカルシフトが異なる NMR 法は、立体規則性の評価に有効である。
▶ 溶液NMR (核磁気共鳴) Solution-state NMR (Nuclear Magnetic Resonance)


立体規則性はポリマーの分子間相互作用や結晶化の程度の支配因子の一つであり、ポリマーの融点、溶解性、弾性、透明性、耐久性などの物性や機能に密接に関係している。ポリマーの立体規則性やその分布の評価は、ポリマーの重合や改良、物性発現の理解に重要である。立体配置の違いにより CH3 領域のケミカルシフトが異なる NMR 法は、立体規則性の評価に有効である。
▶ 13C-NMRによるPP (ポリプロピレン) の立体規則性評価


13C-NMR により、ポリエチレンの分岐構造を定性的・定量的に解析することができる。ポリエチレンの分岐構造は、物性や加工性に大きな影響を与えるため、13C-NMR によりその特徴を把握することは、ポリエチレンの剛性や成形加工性などの諸物性の付与など材料の開発、改良に有用である。
▶ 13C-NMRによる各種ポリエチレン (PE) の分岐構造解析


ポリオレフィンのコモノマー組成や連鎖分布は、剛性、透明性、成形加工性などの諸物性に大きく影響している。13C-NMR 分析(スペクトル解析)により、エチレン / α-オレフィン共重合体のコモノマー種の同定やコモノマー組成、連鎖構造(モノマー連鎖、異種結合)を定量的に解析できる。
▶ 13C-NMRによるエチレン / α-オレフィン共重合体の組成・連鎖構造解析


リサイクルプラスチックは回収からリサイクルされるまでの過程がさまざまであることから、同一の樹脂種であっても選別や洗浄・精製過程で除ききれなかった異種成分が含まれている可能性がある。 異種成分は材料物性低下、製品外観(色、異物)など、トラブルの原因となりうる。本資料では由来の異なるリサイクルポリプロピレン(PP) の成分分析のアプローチについて紹介する。
▶ リサイクルプラスチックの成分分析


真空中で試料に電子線を照射すると、構成元素や化学状態などの情報を含む信号が発生する。これらの信号に対する検出器を搭載した電子顕微鏡は分析電子顕微鏡と呼ばれ、微小領域の評価に広く用いられている。ここでは、特性X線を用いるEDSと非弾性散乱電子を利用するEELSについて紹介する。
▶ 透過電子顕微鏡 (TEM) Transmission Electron Microscope


真空中で試料に電子線を照射すると、構成元素や化学状態などの情報を含む信号が発生する。これらの信号に対する検出器を搭載した電子顕微鏡は分析電子顕微鏡と呼ばれ、微小領域の評価に広く用いられている。ここでは、特性X線を用いるEDSと非弾性散乱電子を利用するEELSについて紹介する。
▶ 分析電子顕微鏡 (AEM) -エネルギー分散型X線分光 (EDS) と電子エネルギー損失分光 (EELS)-


多機能の透過電子顕微鏡 (TEM) には複数の観察モードと検出器が搭載されているため、試料の構成元素や構造に適したものを選択することが重要である。ここでは、TEM 像と走査透過電子顕微鏡 (STEM) 像の種類や特徴を概説する。
▶ 各種TEMおよびSTEM観察法


蛍光は、分子を励起する光子によって引き起こされる発光現象である。蛍光(またはリン光)現象を利用し物質の特性を調べる蛍光分光分析は工業材料 (白色LED、有機EL)、食品、ライフサイエンス、バイオテクノロジーなど多様な分野での研究、開発、品質管理などに用いられる。
▶ 蛍光分光分析


電子スピン共鳴 (ESR) は不対電子を観測対象とする分析手法である。磁場中に置いた試料に一定の周波数のマイクロ波を照射しながら磁場強度を少しずつ変化させていくと、不対電子のゼーマンエネルギー (gβH) とマイクロ波のエネルギー (hν) が一致したときにその不対電子がマイクロ波を吸収し、ESR 信号が観測される。
▶ 電子スピン共鳴 (ESR) Electron Spin Resonance


元素分析とは、試料に含まれる元素の種類、構成比率を定性・定量するための手法である。分析対象元素種・濃度、試料形態等により様々な手法がある。
▶ 元素分析概要


ICP-AES は誘導結合プラズマを励起源とする発光分光分析法である。高温のアルゴンプラズマ中で励起された成分元素が基底状態に戻るときに放射される元素固有の発光線を利用した元素分析法である。
▶ ICP発光分光分析 (ICP-AES) Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy


ICP-MS は誘導結合プラズマをイオン化源とする質量分析法である。高温のアルゴンプラズマ中に試料溶液を導入し元素をイオン化させ、質量分析計により質量電荷比(m/z) に応じて分離、検出する分析手法である。
▶ ICP質量分析 (ICP-MS) Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry


微量金属元素の定量分析に用いられるICP-AES およびICP-MS 測定の対象サンプルは溶液に限定される。従って固体試料の場合は、溶液化のための前処理が必須である。この際、正確な定量結果を得るためには適切な条件で試料を完全溶解させることが前提となる。また、前処理の方法によっては、目的元素の揮散・沈殿等により定量性が損なわれる可能性があるため、試料や目的元素に応じた前処理方法の選択が非常に重要である。
▶ 微量金属分析における前処理 -ICP-AES、ICP-MS-


イオンクロマトグラフィー (IC) は、溶離液を移動相として、イオン交換体などを固定相とした分離カラム内で試料溶液中のイオン種成分を展開溶離させ、電気伝導度検出器によって測定する分析手法である。
▶ イオンクロマトグラフィー (IC) Ion Chromatography


樹脂などの固体試料中のハロゲン:X (ふっ素:F、塩素:Cl、臭素:Br、よう素:I) および硫黄:S の定量分析には、燃焼イオンクロマトグラフィー (Combustion Ion Chromatography:CIC) が適する。
▶ ハロゲン、硫黄の定量分析 -燃焼イオンクロマトグラフィーなど-


リサイクルの過程における異種ポリマーの混入や熱履歴を想定し、PET (ポリエチレンテレフタレート) に微量の PE (ポリエチレン) を混ぜた試料を作製した。 熱物性の変化から、成形加工性について評価した結果を紹介する。
▶ リサイクルを想定した PET の解析 -成形加工性-


リサイクルプラスチック原料には、異種ポリマー、異種金属、フィラー、添加剤、使用環境由来物質など様々な異物源が混在している可能性があり、これらの異物がリサイクルプラスチック使用製品の物性や外観などに悪影響を与えることが懸念される。リサイクル工程での選別、洗浄、フィルター処理などにより異物源が除かれているが、これらの異物源の残存度合などを把握しておくことは重要である。
▶ リサイクルプラスチック中の異物評価


自動車内装材に含まれる添加剤や接着剤が、高温になった車内で揮発して窓ガラス内面に凝集し視界を妨げる。この現象はフォギング (Fogging) と呼ばれる。フォギング試験では、この現象を装置内で再現することで内装材の特性を評価する。
▶ フォギング試験 -自動車内装材の基本物性-


先端にダイヤモンドを使用した圧子で、深さ数 10 nm ~ mm オーダーの押し込み試験を行い、微小領域の定量的な力学(硬さ・弾性率)評価を行う方法
▶ ナノインデンテーションによる表面硬さ・弾性率評価


カンチレバー先端の探針(プローブ) を試料表面に近づけて、両者の間に働く物理的相互作用を検出することで、局所的な情報(表面形状や表面物性)を取得する。
▶ 走査型プローブ顕微鏡 (SPM) -Scanning Probe Microscope-


接着性や光沢、摺動性などの物性を理解するうえで、表面粗さは重要である。弊社では、複数の表面粗さ測定法から、目的に応じて最適な手法を選択することが可能である。本資料では表面粗さ測定法の特徴と測定事例をまとめた。
▶ 表面粗さ測定


高真空下で固体試料に X線 を照射し、発生する光電子のエネルギーの測定により、深さ 数 nm の最表面の元素の種類・組成や化学結合状態を解析する。X-ray Photoelectron Spectroscopy (XPS) や Electron Spectroscopy for Chemical Analysis (ESCA) とも呼ばれる。水素・ヘリウム以外の全元素を 0.1 atom% 程度の感度で検出可能。絶縁物や有機物の測定も可能。最表面や薄膜の解析 (酸化状態、有機物の有無等)、接着不良や表面変色の原因調査等に活用される。
▶ パルスNMRによる分子運動性の評価 -材料の物性・構造を分子運動性の観点から解析する-


高真空下で固体試料に X線 を照射し、発生する光電子のエネルギーの測定により、深さ 数 nm の最表面の元素の種類・組成や化学結合状態を解析する。X-ray Photoelectron Spectroscopy (XPS) や Electron Spectroscopy for Chemical Analysis (ESCA) とも呼ばれる。水素・ヘリウム以外の全元素を 0.1 atom% 程度の感度で検出可能。絶縁物や有機物の測定も可能。最表面や薄膜の解析 (酸化状態、有機物の有無等)、接着不良や表面変色の原因調査等に活用される。
▶ X線光電子分光法 (XPS)


電子線マイクロアナライザー (EPMA) による元素マップは、特定元素の濃度分布を可視化できる有用な手法であるが、濃度差が小さい複数の化合物を元素マップで識別 (色別) することは困難である。一方、複数元素マップを用いた散布図解析では化合物の元素比を反映したクラスタに分離できる。さらにクラスタを色分けした相マップを作成し、各化合物 (相) の分布を可視化することができる。ここでは、SUS種の識別に適用した事例を紹介する。
※EPMA: Electron Probe Micro Analyzer

▶ 相マップ解析によるSUS種の識別 -電子線マイクロアナライザー(EPMA)-


単独のプラスチック材料の物性を改良するため、ポリマーブレンドやポリマーアロイ、多元共重合体などの種々の多成分系プラスチック材料が利用されている。この種の材料では、各成分の混合状態 (相分離構造) を制御することで要求品質に合致した材料が製造されている。ここでは AS樹脂相にゴム相 (ブタジエンゴム) が分散した ABS樹脂 (アクリロニトリル / ブタジエン / スチレン共重合体) の海島構造を透過電子顕微鏡 (TEM) で観察し、島相を画像解析した事例を紹介する。
▶ 多成分系プラスチック材料の相分離構造解析 -島相の面積率・円相当径・アスペクト比・重心間距離-


シャルピーおよびアイゾット衝撃試験では振り子型になったハンマーで試験片に衝撃を与え、 破壊に要したエネルギーからその材料の衝撃強さを求める。一方、高速面衝撃試験では、プラスチック試験片を高速かつ等速の撃芯 (ストライカー) で打ち抜き、その衝撃力と変位量から衝撃波形を取得する。振り子式衝撃試験と比べ、衝撃に関する多くのデータが得られる。
▶ プラスチック材料の衝撃試験


試料に引張り・曲げ・圧縮などの各種変形(ひずみ)を与え、応力とひずみの関係を評価する。弾性率や伸び、降伏点、破断点などが得られ、材料の機械物性の評価に用いられる。
▶ プラスチック材料の引張試験・曲げ試験・圧縮試験


円筒空洞共振器を用いたマイクロ波帯の比誘電率・誘電正接の測定法を紹介する。測定周波数および試料形態に応じ、2種類の測定モード (TE モードおよび TM モード) を選択する。いずれの測定モードにおいても、円筒空洞共振器中の試料の有無に対する共振ピークの共振周波数や線幅の変化を測定することにより、試料の比誘電率・誘電正接を算出できる。
▶ マイクロ波帯 (1 ~ 24 GHz) における誘電特性評価 -比誘電率 (εr)・誘電正接 (tanδ)-


環境制御下でのマイクロ波帯の比誘電率・誘電正接の評価法について紹介する。恒温恒湿槽中で測定した円筒空洞共振器 (TM モード) 中の試料の有無に対する共振ピークの共振周波数や線幅の変化より、誘電率・誘電正接を算出し温湿度依存性を評価できる。(円柱・短冊状試料に加え、粉体や液体、粘土状物質にも対応可能)
▶ 環境制御下での誘電特性評価 -比誘電率 (εr)・誘電正接 (tanδ) / マイクロ波帯 (1 ~ 24 GHz)-


リサイクルプラスチックは回収からリサイクルされるまでの過程がさまざまであることから、同一の樹脂種であっても含有される添加剤成分が異なる。製品用途によっては添加剤成分による物性への影響が出る場合があり、リサイクルプラスチックを原材料の一部として用いるためには含有される添加剤の定性・定量分析が重要である。本資料では由来の異なるリサイクルポリプロピレン (PP) の添加剤分析について紹介する。
▶ リサイクルプラスチックの添加剤分析


リサイクルプラスチックには、リサイクルの過程で混入した異種プラスチックなどのコンタミ成分が含まれている懸念がある。回収プラスチックの選別などのリサイクル工程の改善や材料の使いこなしのためには、リサイクルプラスチックに含まれている各種成分の組成を把握することが重要である。本資料では 1H-NMR によるリサイクルポリエチレン (PE) の組成分析例について紹介する。
▶ リサイクルプラスチック中のポリマー成分組成 -1H-NMR-


磁場勾配ユニットを搭載したパルスNMR(広幅NMR)により、溶液の自己拡散係数を測定できる。ここでは、ゼラチンゲル中の水の自己拡散係数よりゲルの網目構造を推定した事例を紹介する。
▶ パルスNMRによる溶液の自己拡散係数評価


一般的に、界面観察や膜厚測定をするためには、試料の断面を作製する必要がある。白色干渉顕微鏡やレーザー顕微鏡では、透明多層材料の界面観察や膜厚測定を非破壊・非接触で実施できるため※1、高価で貴重なサンプルや断面加工が困難なものにも適用可能である。さらに、断面からでは分からない各界面の広範囲な”面”の形状や分布等の情報を得ることができる。
※1 表層の厚み、下層の素材など、試料構成により定量的な評価が困難な場合がある

▶ 多層フィルムの非破壊界面・膜厚測定






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