リサイクルプラスチックは回収からリサイクルされるまでの過程がさまざまであることから、同一の樹脂種であっても選別や洗浄・精製過程で除ききれなかった異種成分が含まれている可能性がある。 異種成分は材料物性低下、製品外観(色、異物)など、トラブルの原因となりうる。本資料では由来の異なるリサイクルポリプロピレン(PP) の成分分析のアプローチについて紹介する。
■リサイクルPP について下記の各種分析(NMR、灰分、XRF、GPC、MFR) を実施したところ、含有成分に差異がみられた ⇒ 特徴的な分析結果を以下の例1~3 に示す。
リサイクル品は灰分が多くバージン材では検出されない無機元素が検出されており、原料PP に配合されたフィラーが残存していると考えられる。家電リサイクル品(複数部材)には ・タルク、金属酸化物 (酸化チタン)、炭酸カルシウム (IR) ・臭素系難燃剤 (XRF) が含まれると推定される。
飲料容器リサイクル品は他の試料と比較しPE 含量が有意に高い。試料情報および DSC、TGIC (温度勾配相互作用クロマトグラフィー) などの分析結果と合わせ、高密度ポリエチレン (HDPE) がリサイクル過程で混入したと考えられた。
飲料容器リサイクル品は他のリサイクル品と比べ分子量がやや高く、MFR が小さい(流動性が小さい)。これはリサイクル前の用途・成形品サイズにより必要とされた物性(成形性)が異なっていたためと考えられる。 ⇒成形トラブルや強度不足などのトラブルを回避するため、リサイクル品の流動性や分子量を使用前に把握しておくことが重要と考えられる。
■ 試料中の成分について、複数の分析の併用により様々な角度から目的に応じた分析が可能 ※ 分析の組み合わせ方はご相談ください ※
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