環境制御下での誘電特性評価
-比誘電率 (εr)・誘電正接 (tanδ) / マイクロ波帯 (1 ~ 24 GHz)-

概要


環境制御下でのマイクロ波帯の比誘電率・誘電正接の評価法について紹介する。
恒温恒湿槽中で測定した円筒空洞共振器 (TM モード) 中の試料の有無に対する共振ピークの共振周波数や線幅の変化より、誘電率・誘電正接を算出し温湿度依存性を評価できる。
(円柱・短冊状試料に加え、粉体や液体、粘土状物質にも対応可能。)



温度依存性の評価例


液晶ポリマー(LCP) の比誘電率・誘電正接の温度依存性
mcanac
LCPの比誘電率は低温から高温にわたりほぼ一定であった。一方、誘電正接は昇温に伴い分子運動が激しくなり、数10℃以降から増加傾向を示した。

湿度依存性の評価例


ポリアミド (PA-6) とフッ素樹脂(PTFE) の比誘電率・誘電正接の湿度依存性の比較
mcanac
PA-6では高湿度ほど比誘電率、誘電正接ともに上昇し、一定の湿度昇降速度のもとではヒステリシスが生じていた。一方、低誘電特性のPTFE では比誘電率、誘電正接ともに低湿度から高湿度にわたってほぼ変化が無かった。

対応可能な環境制御条件


①温度制御のみ   -40 ~ 120 ℃

②温度×湿度制御 15 ℃ (55 ~ 95 %RH) ~ 85 ℃ (10 ~ 95 %RH)

※上表を目安に具体的な調温・調湿条件についてはご相談ください



実際の使用環境を想定した誘電特性の評価は、通信系デバイス等の高周波対応材料の開発・選定に役立つ




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