概要
キャピラリー電気泳動 (CE:Capillary Electrophoresis) は、分離分析法のひとつであり、主として水溶液中のイオン成分の分離分析に用いられる。
原理
緩衝液を満たした中空フューズドシリカキャピラリー (内径 100 μm 以下) の一端から試料溶液を導入し、キャピラリーの両端に高電圧を印加する。キャピラリー管内では電気浸透流が生じ、荷電した成分は、電荷やイオン半径に基づく電気泳動移動度の差により分離される。(図1)
検出器には、紫外 - 可視吸光検出器を用いるが、無機イオンや有機イオン類の多くは紫外吸収を示さないため、紫外吸収のある成分を緩衝液に加え、紫外吸収のない成分が表れた時に吸光度が下がりマイナスピークとして検出されることを利用した間接吸光検出法を用いる。(図2)
測定例
- 懸濁試料や有機溶剤混入試料でも簡単な前処理(ろ過等)で分析可能でなため、幅広い形態の試料に適用可能
- 分離能が高く、少ない試料量でも高感度に分析可能 (定量下限:1 μg / mL 程度)
測定対象成分例 |
陰イオン |
F-、Cl-、Br-、I-、NO2-、NO3-、SO42-、PO43-、など |
陽イオン |
NH4+、Li+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、など |
有機イオン |
有機酸、アミン類 など |