概要
X線反射率法(XRR法)は電子デバイス等のナノメートルスケール薄膜・多層膜の厚み、密度、表面や界面のラフネスを同時に評価することができる。
特徴
- 数 nm ~ 200 nm の膜厚を評価することができる
- 組成が既知の場合、膜の密度を評価することができる
- 単層膜だけでなく多層膜も評価できる
- 半導体薄膜から超伝導、磁性体、金属、高分子薄膜まで、広い範囲の物質に適用できる
- 結晶質、非晶質を問わない
- 非破壊で分析できる
ナノ薄膜評価法の比較
|
XRR |
SEM・TEM |
エリプソメトリ |
膜厚 |
◎ |
○(局所、破壊) |
◎ |
膜密度 |
◎ |
× |
× |
ラフネス |
◎ |
△(局部) |
△(光の透過性による) |
分析例 スパッタリング法により作製したSi3N4膜の評価
解析の結果、Si3N4膜は一層ではなく、極表層に密度の低い層が存在することがわかった
これは他の分析装置では検出できず、設計時には想定していなかった層構成も明らかにできた