概要
オレフィンポリマー構造の組成・分子量分布の最新評価技術を紹介する。
高温LC法は、従来のTREF法に比べ分離可能なエチレン含有量の範囲が広く、共晶化分離攪乱の影響が小さいという特徴がある。また、TREF法より測定時間が40%短縮できた。
TREF法:Temperature Rising Elution Fractionation(昇温溶出分別法)
測定原理
吸着材との相互作用の違いで保持時間が異なる
吸着材にグラファイトを使用することでPEを効率よく選択的に吸着
測定例 オレフィンポリマー・コンパウンド測定
他法との比較
- 高温LC法は従来のTREF法と比較して分離可能なエチレン含有量の範囲が広く、共晶化分離攪乱の影響が小さい特徴を有す
- TREF法と比較した場合、測定時間は 40 % 短縮
分離方法 |
分離情報 |
定量 |
測定時間 |
分離可能範囲 |
備考 |
検出法 |
得られる情報 |
高温LC法 |
○ 0~10, 60~100 (エチレン含量,モル%) |
C2系ポリマーで共晶なし |
○ 赤外 (オンライン) |
組成 |
◎ 80分 |
TREF法 |
△ 0~10, 80~100 (エチレン含量,モル%) |
共晶化、分離攪乱の危惧 |
△ 24時間 |
デカン分別法 |
× 2分画 (結晶部&ゴム部) |
分画物回収 |
◎NMR (分画物ごと) |
組成,連鎖長, 立体規則性など |
△ 8時間 +7時間 |