概要
nanoIR イメージングは 数百 nm の空間分解能を有する局所赤外イメージング法である。特定波長のIRレーザーを照射しながら試料を走査し、各点で生じた IR 吸収に伴う熱膨張を AFM の探針で検出することにより、走査面内の IR 吸収強度分布 (組成イメージ) を得る。AFM の原理を利用しているため、従来法 (顕微 IR) では困難だったサブ μm スケールで微分散した有機成分の状態を評価するのに適している。
試料
可塑剤を含浸させたポリスチレン板
分析事例 添加剤の分散状態評価
ポリスチレン板表面には可塑剤が存在、内部には認められない
ポリスチレン板表面には可塑剤が存在、内部 (深さ 5 μm) には認められない
可塑剤由来の吸収強度とその分布を色で表示した (左図) ポリスチレン板表面から 2 μm 程度まで可塑剤が侵入していること、表面に近いほど可塑剤濃度が高いこと、また偏在して分布していることがわかる。