概要
高分子材料の分子構造 (分子量、組成 / 短鎖分岐、長鎖分岐) と諸物性との間には密接な関係があり、分子構造の違いが樹脂の成形加工特性や成形品の性能を左右する。弊社では、ポリオレフィンの各種クロマト分離技術と IR や NMR などの組成分析と合わせて分子構造と諸物性との関係性を総合的に解析する。
ポリオレフィンの組成分析法一覧
得られる情報 |
適用ポリマー |
分析方法 |
備考 |
組成分布 Comopsition distribution |
結晶性ポリマー Crystalline polymer |
クロマトグラフィ Chromatography |
TREF * |
結晶性の違いを利用した 組成分布の解析 |
CEF * |
非晶性ポリマー および 結晶性ポリマー |
TGIC * |
相互作用の違いを利用した 温度グラジエント組成分布解析 |
構造 Structure |
結晶性、 非晶性ポリマー Amorphous polymer |
NMR |
ポリマー中微量物(例えば2ppm)の 構造同定も可能 |
IR |
構造決定、データベースによる |
* Measuring instrument name
結晶性ポリマーの場合には TREF と GPC を組み合わせて分子量 − 組成二次元分布解析も可能
組成分析をフルラインナップして受託できるのは三井化学分析センターのみ
PPコンパウンドの組成解析 CEF、TGIC
試料:PPコンパウンド (PP、PE、EOR、EPR)
IR、NMR 等により得られるポリマー種・組成情報を参考に各ピークを帰属する
PPコンパウンド成分分析結果
成分 |
含有濃度(wt%) |
PP |
55.6 |
PE |
2.9 |
EOR |
23.9 |
EPR |
17.2 |
ローポリマー他 |
17.2 |
CEF と TGIC とを併用することにより各成分が明確に分離でき、コンパウンド組成が詳細に解析できる
またゴム成分などは、ブロックPP由来の重合ゴムか、後添加ゴムかの推定も可能である