結晶スポンジ法を用いた化合物の構造解析

概要


結晶スポンジ法とは、東京大学の藤田誠教授のグループが開発した、試料の結晶化を必要としない新しい構造解析法です。従来の単結晶 X 線回折 (SC-XRD) と異なり、結晶スポンジ法では油状試料や気体試料などの単結晶を得られない化合物でも SC-XRD を適用して構造解析を行える可能性があります。



単結晶 X線構造解析


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結晶スポンジ法の原理


結晶スポンジは有機金属錯体の単結晶で、結晶内に 5×8Å 程度の規則的に配列した細孔を持つのが特徴です。このことから結晶スポンジは、「規則正しく並んだ入れ物」に例えることができます。この「入れ物」に対象化合物の分子を入れ、規則的に配列させることで、単結晶のような構造とみなすことができます。これにより、単結晶を得られない化合物でも単結晶 X線回折法を適用できます。

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結晶スポンジ法の利点


  • 対象試料(医薬品、香料、天然物など)の結晶化が不要

  • 結晶スポンジの空孔を満たす程度の試料量があればよいので、痕跡量 (~μg) での分析も可能

  • SC-XRD なので絶対立体配置の決定に有用

結晶スポンジ法の原理


  • 本法適用には、結晶スポンジと対象試料との相性もあります

  • 既知の構造情報(NMR、LC/MS など)をご提供いただくことで構造解析の信頼度が向上します

※弊社では結晶スポンジ法の実施に必要な東京大学および JST のライセンスを取得しています




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