概要
ポリオレフィン材料の分子量・分子量分布は、成型加工特性や成形品の諸物性に大きく影響を与える。
従来より示差屈折率計 (RI 検出器) を用いた高温GPC による分子量・分子量分布評価が行われているが、高感度赤外線検出器 (IR 検出器) を用いることで、これまで評価できなかった材料や希薄溶液でも対応が可能となった。
ここでは従来検出器と比較した事例について紹介する。
高温GPC-IRの特徴
- 従来のRI 検出器ではクロマトグラムが正負反転・相殺され正確な測定が困難であった材料系でも良質なクロマトグラムが取得可能。
- 検出感度が飛躍的に向上し、より低濃度で測定可能。
- 特定の波長域を検出するIR センサーを複数備えており、単に分子量だけでなく組成の分子量依存性を同時に評価可能。
以下、1、2 について事例紹介
測定事例
事例 1 RI 検出器でピークが正負反転する事例 試料:PE/PS ブレンド
対象材料:各種ポリオレフィン / スチレン系エラストマー、環状オレフィンコポリマー (COC) など
事例 2 低濃度試料の測定事例 試料:超高分子量PE (Mw;約 300 万)
高感度IR 検出器が有効なケース
- 超高分子量PE など、希釈濃度でないと測定できない系
- サンプルが希少で試料量が確保できない系