高温GPC-IRによる分子量分布・組成分布評価
- カルボニル含有量 -

概要


ポリオレフィン材料の分子量・分子量分布は、成型加工特性や成形品の諸物性に大きく影響を与える。
また近年、樹脂材料の多様化により複雑化した組成を有する材料が多くなってきている。
高感度の赤外線検出器 (IR 検出器) を用いた高温GPC-IR は、従来の分子量・分子量分布評価に加えて、特定のIR 波長 (CH3、C=O) を用いた組成分布情報の取得も可能である。これにより分子量分布と組成の関係 (高分子量域と低分子量域での組成の違い等) を評価できる。



IR検出器で検出可能な波長域と適用ポリマー


官能基
(波長)
CH3
(2,960 cm-1)
C=O
(1,740 cm-1 近傍)
運用ポリマー
  • PE (HDPE, LLDPE, LDPE) ※短鎖分岐度の評価
  • PP (ホモ, ブロック, ランダム)
  • エチレン / プロピレン共重合体 (C2 / C3 系)
  • エチレン / ブテン共重合体 (C2 / C4 系)
  • エチレン / ヘキセン共重合体 (C2 / C6 系)
  • エチレン / オクテン共重合体 (C2 / C8 系)
  • エチレン - 酢酸ビニル共重合体 (EVA)
  • エチレン - アクリル酸メチル共重合体 (EMA)
  • 各種 酸変性ポリオレフィン (無水マレイン酸変性など)

特定の波長域を検出するIR センサーを複数備えており、単に分子量だけでなく組成の分子量依存性を同時に評価できる。



測定事例 PP / EVA 混合物


mcanac

短鎖分岐度、C=O 含有量共に分子量依存性が見られる
 低分子量成分 (EVA) : 短鎖分岐度が低く、 C=O を含む
 高分子量成分 (PP) : 短鎖分岐度はほぼ一定 (約 333) で C=O を含まない

  • 短鎖分岐度および C=O の分子量依存性評価が可能
  • 酸変性率の評価にも適用可能



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