コーティング処理面における水の滑落性評価
-化学力顕微鏡 (CFM)-

概要


材料表面の評価方法は水の接触角や、表面粗さ測定、化学結合状態分析等があげられる。弊社では、走査プローブ顕微鏡 (SPM) による微小領域での各種表面物性評価もラインナップしている。
ここでは化学力顕微鏡 (CFM) を水の滑落性評価に適用した事例を紹介する。



接触角測定、滑落角測定および CFM について


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接触角は液体と固体表面のなす角で定義される。接触角が大きいと濡れが悪く、撥水性が高くなる。

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基材の傾斜が何度になると液滴が滑落するかで、滑落性を評価する。滑落角度が小さいほど滑落性が高く、撥水性も高くなる。

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OH 基で探針表面を修飾したカンチレバーの水平方向の変位 (捻じれ) から、試料と探針の間に働く摩擦力(化学的な相互作用)を測定する。基材表面の親水性・疎水性を評価できる。



滑水コーティング剤を用いた評価事例


  • 試料:市販の滑水コーティング剤を塗布したシリコンウエハ (市販品A、市販品B)
  • 従来法による測定:平板上に滴下した水滴の接触角および滑落角を測定
  • CFM 測定:親水化処理した探針を用いて室温で測定
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  • 図1:水接触角はほぼ同程度だが水の滑落性が試料間で異なる
  • 図2:滑落角と摩擦力(親水基との相互作用の強さ)に相関あり
CFM は、材料の微小領域での親水性・疎水性の評価に加え、水滑落性の不良解析にも適用できる





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