概要
リサイクル樹脂の評価事例として、2種類の異なるリサイクルポリプロピレン (PP) の融解および結晶化挙動の違いを評価した事例を紹介する。
DSC による融解および結晶化挙動から、リサイクル樹脂の混入成分の推定を行うこともできる。
試料
サンプルA、サンプルB:異なる製品からリサイクルされたブロックPP
測定および結果
サンプルが受けた様々な熱履歴の影響を避けるため、1st Heating により一度サンプルを溶融させた後に、Cooling、2nd heating で樹脂の熱物性を評価する
DSC で得られた熱物性パラメータ
|
融解温度 Tm (℃) |
結晶化温度 Tc (℃) |
融解熱量 ΔHm (J/g) |
備考 |
サンプルA |
164.3 |
127.3 |
97.5 |
ブロックPP の熱挙動のみ |
サンプルB |
129.8 / 166.1 |
118.2 / 130.8 |
36.6 / 81.3 |
主成分のブロックPP 以外に、
異種ポリマーが含まれる
Tm、Tc から、異種ポリマーは高密度
ポリエチレン (HDPE) と推定
|