住宅の建築材料評価のための放散試験
-小形チャンバー法-

概要


建築材料に使用されている接着剤や塗料などから発生する化学物質は、目、鼻、のどを刺激し、頭痛、呼吸困難等を引き起こすシックハウス症候群の原因物質となる可能性があり、特に、住宅の高気密・高断熱化が進んだことに伴い、シックハウス症候群の問題は深刻化しています。
そこで、弊社では、(株) KRIと業務提携し、実際の室内環境に近い状態で、建築材料からのホルムアルデヒド・揮発性有機化合物の放散量を正確に測定できるJISA1901:2003「建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法-小形チャンバー法」を用いた建築材料からのVOC物質の放散速度測定を行います。



放散試験装置・分析技術の主な特徴


  • 放散試験装置では、チャンバーの放散試験条件 (温度、湿度、入出の清浄空気流量) を、個別・精密に制御しているので、長期間の測定でも安定した測定データをお客さまにご提供できます

  • 放散試験装置のバックグラウンド濃度が極めて小さな値 (TVOC:3.0 μg / m3 未満) なので、建材からのVOC放散速度が正確に評価できます

  • VOCの分析には、定性、定量をそれぞれ独立したシステム (TCT-GC/MS、TCT-GC/FID) で行うため、試料からの放散成分について、極微量から高濃度まで幅広く正確に測定することができます
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▲放散試験装置 (20 L)


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▲VOC分析装置



放散成分の濃度が高い場合の測定例


同一のチャンバーからほぼ同じタイミングで放散ガスを採取し、一般的に活用されているATD-GC/MSと弊社のTCT-GC/FIDそれぞれで分析し、結果を比較しました。
放散成分の濃度が高い場合、ATD-GC/MSでは検出器でのイオン化効率が低下するために、十分な精度の測定結果が得られませんでしたが、TCT-GC/FIDでは広い範囲のダイナミックレンジで正確な測定結果を得ることができます。

小形チャンバー内の濃度
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経過日数(日)



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