高分子材料の表面劣化総合解析


概要


高分子材料の劣化は、表面から内部へ進行するため最表面、表層付近の状態を把握することは劣化挙動を解析する上で極めて重要である。高分子材料に対する様々な表面解析技術を保有しており、その劣化を総合評価できる。一例としてポリプロピレン(PP)表面の総合解析事例を紹介する。



ポリプロピレン(PP)シートによる評価事例


測定試料
PPの表面劣化前後品:真空紫外線を照射しモデルサンプルを作成


①LFMによる摩擦力の温度依存性測定
mcanac

表面劣化後は摩擦力が大きい
(分子が動きやすい)

②CFMによる新疎水性評価
mcanac

表面劣化後は親水基が増加している


③GPCによる表層付近の分子量分布測定
mcanac

表面劣化後は分子量が低下している

④ナノインデンテーションによるDMA測定
mcanac

測定温度を数水準ふり、深さ方向のTanδ変化を総合的にみて、急激に減少している深さ約100nm付近まで劣化が進んでいると推定


劣化したPP表面は、親水性官能基を末端に持った分子運動性の高い
低分子量成分が、表層付近に形成されているものと推察される



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