リチウムイオン二次電池
正極活物質表面の価数分析
-EELS多変量解析-

概要


EELS(電子エネルギー損失分光)は価数、酸化状態、配位状態などの解析に有効である。ここでは劣化した正極活物質に対し、STEM(走査透過電子顕微鏡)-EELSを実施し、遷移金属の価数状態を明らかにした。さらにはEELSイメージングデータを多変量解析して成分抽出を行い、各成分での可視化を試みた。



Li (Ni0.5Mn0.3Co0.2)O2のSTEM-EELS実施例

STEM : Scanning TEM    EELS : Electron Energy Loss Spectroscopy

mcanac

HAADF-STEM像

mcanac

活物質表面近傍でのEELSスペクトル

サンプル履歴
サイクル試験後

測 定
活物質表面近傍の
Mn L2,3 スペクトル取得

解析結果
活物質の粒子表面において
以下を観察
・低エネルギー側への
 ピークシフト
・L3/L2 強度比の増加

Mn の低価数成分の存在が確認
粒子表面の劣化が推定される



多変量解析による成分抽出と成分マッピング


①多変量解析による成分抽出
 (スペクトル分離 : 成分数 =2)

Mn の例

mcanac

  • EELSスペクトルは、化学結合状態が異なる個々の原子から得られるスペクトルの重畳となる
  • 各エリアで得たスペクトルに対し多変量解析を実施し、重畳スペクトルを成分ごとに分離する
②各成分によるマッピング
 (サイクル試験後NMC電極)

mcanac

解析結果

①多変量解析による成分抽出

  • Mn および Co では多変量解析で第2成分(低価数化成分)が検出された

②各成分によるマッピング

  • 第2成分(低価数化成分)は粒子表面近傍
    (<10 nm)に多く存在することが確認された
  • Ni では多変量解析で第2成分(低価数化成分)が検出されなかった

Mn および Co では活物質の劣化が粒子最表面に起きていることが推定される




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