概要
弊社はこれまで、ナノIR による組成のサブミクロン分布可視化で好評価を得てきた。
このたび、より高感度、高空間分解能の ナノIR を導入した。組成の高感度分析と 10 nm オーダーでの組成分布解析が可能となり、樹脂複合材料中の分散状態、接着界面の評価などに有効となる。
1.性能
項目 |
従来型 |
新型 |
光源 |
OPO レーザー |
QC レーザー |
感度 |
低 |
高 |
空間分解能 |
100 nm |
10 nm |
熱ダメージ |
高 |
低 |
パルスの繰返し周波数を探針の共振周波数に合わせることで、従来よりも高感度化、空間分解能1桁向上
OPO : Optical Parametric Oscillation (光パラメトリック発振)
QC : Quantum Cascade (量子カスケード)
2.分析事例
①高感度化
試料:酸変性ポリオレフィン
QC レーザー (新型)
OPO レーザー (従来型)
wavenumber / cm-1
ポリオレフィンの酸変性物 C = O の識別可能
②高空間分解能化
試料:イソプレン- スチレンのジブロックポリマー
IR 強度像
(ナノIR新旧比較)
(PS 1450 cm-1)
QCレーザー
(新型)
相構造を確認
OPOレーザー
(従来型)
相構造確認できず
位相像
(DFM による
硬軟分布情報)
位相像
暗い部分:硬い(PS)
測定エリア 500 nm x 250 nm
組成分布情報 (ナノIR) と物性分布情報 (位相像) とを
併用して解析できる
QC レーザー / ナノIR は従来型に比較して、より高感度、高空間分解能となり、
これまで不可能であった微量物、10 nm オーダーでの分析、解析が可能になった