電極スラリーの塗工特性評価

概要


電極の生産性を上げるためには電極スラリーのレオロジーの制御が必須であり、貯蔵時には活物質の沈降を防ぐために高粘度で、塗布時には厚みムラ防止や薄膜化のために低粘度に調製する必要がある。
ここでは、レオメーターを用いてLIB 負極スラリーの塗工特性を評価した事例を紹介する。



サンプル


LIB 負極スラリー : 水、CMC、バインダー、導電助剤、活物質 (グラファイト)
※混錬の処方を変えて作製した 2種類のスラリーを測定 (処方A : 混錬 強処方B : 混錬 弱)



粘度のせん断速度依存性 (フローカーブ)


せん断粘度のせん断速度依存性を測定(25 ℃)

mcanac

せん断速度 (s-1)

mcanac

処方A の方が低せん断域では高粘度であることから貯蔵時に沈降しづらく、高せん断域では低粘度であることから塗工時に塗りやすいと推測される

⇒静置特性や塗工性を評価可能


塗工過程における粘度挙動 (ステップフロー)


せん断速度を切り替えながら粘度の経時変化を測定 (処方A、25 ℃)

mcanac

処方B では、①→②の粘度低下、②→③の粘度の回復に
差があると予測される

mcanac
実際の塗工工程(様々なせん断速度)を想定した粘度の経時変化を評価可能
⇒ 塗工ムラ、液ダレなどのトラブル解析にも有効



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