成形品の諸物性は高次構造と密接に関係しているため、その関係性の解析は重要である。 特に射出成形品では、成形条件によって高次構造が厚さ方向にマイクロスケールで変化するので、これに伴い局所的な物性も変化すると予想される。 ここでは、金型温度を変えて成形したPP 射出成形品の、高次構造と局所軟化温度の関係を解析した事例を紹介する。
異なる金型温度 (28 ℃、40 ℃、80 ℃) で成形した ホモPP射出成形平板
①偏光顕微鏡による球晶の評価
②顕微ラマンによる主鎖配向性評価 (I808 / I840※強度比)
28℃、40℃ :表層側では急冷されたため、スキン層が厚く、配向性の高い層が形成されている。 80℃ : 表層直下から大きい球晶が形成され配向性も低い。
cf. Y. Kobayashi; Seikei-Kakou, Vol. 28, No. 4, 149-152 (2016)
測定の概要
軟化温度の深さ依存性
28℃、40℃ : 表層側には結晶化度の低いスキン層が形成されており、内部側も急冷の影響で球晶サイズが小さい。 軟化温度も低い傾向が見られた(表層側は内部側より低い)。 80 ℃ : 表層直下から大きい球晶が形成されており、軟化温度も高い傾向が見られた。 ⇒マイクロスケールでの高次構造の違いが、局所軟化温度に反映
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