黒鉛粉末と電解液との親和性評価
PART.2

概要


黒鉛粉末と電解液との親和性をパルスNMR により評価した。技術資料 Part. 1 の結果より、電解液との親和性には、黒鉛粉末と水との親和性 (化学的相互作用) のみではなく、細孔の大きさ (物理的相互作用) も寄与していることが示唆されたため、黒鉛粉末の細孔分布を評価した。



黒鉛粉末の細孔分布評価


図1. 窒素吸脱着等温線

mcanac

表1. 黒鉛の全細孔容積

  黒鉛 A 黒鉛 B 黒鉛 C
全細孔容積 / cm3g-1 0.04053 0.03096 0.06096

図2. 細孔径分布 (BJH プロット)

mcanac

  • 黒鉛B と黒鉛C ではヒステリシスが見られ、ヒステリシスの形より、細孔形状はスリット型と推測される。
  • 黒鉛B は全細孔容積が最も小さく、細孔サイズが大きい孔であるマクロ孔は最も少ない。
  • 黒鉛C は全細孔容積が最も大きく、マクロ孔は最も多い。


イメージ



<物理的相互作用について>

 :分子運動性が低い電解液
 :分子運動性が高い電解液

細孔サイズ:小

mcanac

細孔が小さい分、
電解液の拘束が強い

細孔サイズ:大

mcanac

細孔が大きい分、
電解液の拘束が弱い


黒鉛C では、黒鉛B よりも細孔サイズの大きなマクロ孔が多いので、電解液の拘束が弱い部分が多くなり、電解液との親和性は悪くなる。

物理的相互作用 : 黒鉛B > 黒鉛C

<技術資料 Part.1 と Part.2 のまとめ>

  黒鉛 A 黒鉛 B 黒鉛 C
電解液との親和性
化学的相互作用
物理的相互作用

様々な手法を組み合わせることで、黒鉛粉末と電解液との親和性に関して、
化学的要因と物理的要因を切り分けて評価できる。



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